『電車の中』


ガタゴトと揺られながら
駆け抜けていく
緑と家々を見ていた
喉を通るピーチ味が心地良くて
あたしは小さく鼻歌を歌う

手には少し厚めの文庫本と
膝には少し重めの小さな鞄
いつものスタイルに加えて
今日は冷たいピーチ味
いつもと同じようで違うところが
少しだけ楽しくて
電車の中は
明るい光と
のどかな空気で満ち満ちて
そんな中にいられるあたしは
少しだけ
幸せなのかもしれないと
心のどこかで感じていた